【IL BISONTE修理事例】ショルダーバッグのステッチ補修|革の魅力を損なわず仕上げました

鞄の修理について

革製品好きの間で根強い人気を誇るブランド「IL BISONTE(イルビゾンテ)」。
ナチュラルな風合いと使い込むほどに深まる味わいは、まさに“革好き”にはたまらない存在です。

今回は、そんなIL BISONTEのショルダーバッグのステッチ補修修理のご依頼をいただきました。
この記事では、ブランドの魅力から修理の流れまで詳しくご紹介します。

IL BISONTE(イルビゾンテ)とは?

IL BISONTE(イルビゾンテ)は、1970年にイタリア・フィレンツェで誕生した革製品ブランドです。
創業者はワニー・ディ・フィリッポ氏。職人としての腕前はもちろん、ライフスタイルそのものがブランドイメージを象徴する存在として知られています。

ブランド名の由来

「IL BISONTE」はイタリア語で“水牛”という意味。ブランドロゴにも描かれているバッファローは、強さと自然の象徴として、ブランドの哲学を体現しています。

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人気の理由は?革の質と職人技

イルビゾンテの魅力は、なんといってもナチュラルな一枚革の美しさと、ハンドメイドのぬくもりにあります。

✅ 革の質感が際立つシンプルなデザイン

  • 装飾を極限までそぎ落としたミニマルなフォルム
  • ステッチも主張しすぎず、あくまで“革そのもの”を主役にした構成
  • 表面はしっとりと滑らかで、触れた瞬間に上質さを実感できます

✅ 経年変化が楽しめる“育てるバッグ”

新品時はやや明るめのカラーでも、使うごとに深みを増し、自分だけの表情に育っていくのがイルビゾンテの魅力。
まさに「革と共に生きる」ことを楽しめるブランドです。

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今回の修理内容:ショルダーストラップの糸ほつれ

今回お持ち込みいただいたのは、IL BISONTEの定番ショルダーバッグ
長年使い込まれていて、革は良い色に育っており、使用感も絶妙でした。

修理が必要だった箇所:

  • ショルダーストラップ付け根部分の糸が一部ほつれていました
  • 革そのものは破れておらず、素材の状態は良好
  • このまま使用を続けると、ストラップが外れる恐れがある状態でした

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修理の流れ|ステッチ補修作業工程

今回は、部分ステッチの縫い直しという比較的軽微な修理でしたが、しっかりと耐久性と美観を両立させるために、以下のような工程で作業を進めました。

① 糸の除去と下準備

ほつれている古い糸を手作業で丁寧に取り除き、革を傷めないよう表面をならしていきます。

② 糸色を選定してミシン準備

使用するミシンは、厚手素材にも対応できるSEIKO社の腕ミシン
上糸・下糸の色は、元の縫製と違和感が出ないよう、限りなく近いカラーを選定して使用しました。

③ 再ステッチ(縫い直し)

曲線や立体にも対応できる専用ミシンで、丁寧に縫い直し。
針のサイズ・ステッチの幅も元の仕上がりを再現するように調整しています。

④ 糸の始末・最終確認

糸の結び目や終端は表から見えないように処理。
「どこを直したかわからない」仕上がりを目指しました。

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修理完了後の印象

  • ストラップはしっかり安定
  • 糸色・縫い目も違和感なく、まるで最初からこうだったかのような自然な仕上がり
  • 革へのダメージもなく、美観はそのままキープ

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修理料金と納期目安

内容料金(税込)納期
ステッチ補修(片側)2,200円〜3,300円約5〜10日間

※バッグの構造・ステッチ位置により変動します。まずは写真でのお見積りも可能です。


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まとめ|修理で「これからも使える相棒」に

イルビゾンテのような上質なバッグは、傷んでも**「直して使い続ける価値のある相棒」**です。

特に、今回のような糸のほつれなどの軽微なトラブルは、早めの補修で大きなダメージを防ぐことができます。

革のエイジングを楽しみながら、**「長く使う楽しみ」**をこれからもぜひ味わってください。

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今回、使用するミシンはSEIKO社の腕ミシンです。

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ミシンなので上糸と下糸があり、元の糸色に近い糸に変えて縫います。

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ハイ!完成!修理跡もなく修理したことはほとんどわからなく仕上りました。

ただ、一つ心配するなら反対側がもしかしたらそのうち、同じように外れるかもしれないといったところでしょうか。

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末永くご愛用いただくことで更なる『味』をお楽しみください!




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